今回のあすか倶楽部は、毎月行っている講師による講演と聴講(参加者)ではなく、新企画のディベートを行った。参加者個人がそれぞれディベートを行うのではなく、2つのチームに分かれて、今回のテーマである「プライベート商品は是か非か」について行った。結論を導くものではなく、その過程を楽しむ(考える)ためにディベートを行った。
参加者(本テーマについての賛否は個人的な意見を持っていると思うが)はそれぞれ、このテーマにつき、機械的に2つのチームに分かれた。個人的にはプライベートブランドに賛成であるが、反対の立場として議論を纏める必要がある参加者もいた。
ルールはまず、チーム内で意見をまとめ、それぞれの代表者が発表。その後、発表した内容を基に相手方のチーム内で質問を作成し、その質問をお互いに発表、さらに、相手の質問に対する答えを基に、各チームが意見を述べた。
個人的なディベートと違い、チーム内で意見を出し合ったため、様々な視点から意見が出た。結論や正解を求めるものではないので、楽しみながら、対立する意見の議論の進め方の過程を学ぶことが出来た。
プライベート商品推進派の意見の中の「高齢者が迷わず購入できる」との意見の反対意見(反駁)として、「高齢者をバカにするな。高齢者が、お金が無いわけでない。個人資産の70%は高齢者が持っている。安いものばかりだと面白くない生活になる」との意見が出たのが印象的であった。
<参考>テーマに対するそれぞれのチームで出た意見
★プライベート商品の推進派の意見
ユーザーメリットとして
1.安価に継続的にいつでも購入できる
2.低所得あるいは家計収入が増加しない現在では、中低価格のPBには魅力がある。
3.高齢者は商品を迷わず購入できる
4.選択の幅が広がる(価格)
5.品質と価格のギャップが狭まる。
メーカーメリットとして
1.計画生産が出来る。
2.広告宣伝費が不用、軽減できる
3.若年層を取り込める
4.雇用の安定
5.品質の安定、コスト改善ができる
6.PBを戦略商品として位置づけることができる
★プライベート商品の反対派の意見
デフレ下におけるPBを廃止すべき
1.デフレスパイラル
流通経路の圧迫による雇用機会の損失→給与の減少→購買力の低下→需要低下による価格低下
2.メーカーの開発営業力の等の低下
次世代への商品提案力の低下→長期的に見ると、日本の技術力、国力低下→国際競争力の低下
3.生活文化の衰退
選択の自由が無くなる→生活の画一化→日本文化の低下
■今回の参考にした文献(事前資料)として下記のものを使った。
(1)財団法人 食品需要研究センターホームページから
食品企業におけるPB取り組みの現状と課題
PB商品をめぐる動向と今後の課題
(2)経済産業省ホームページより
「消費者の購買に関するニーズの動向調査 リーマンショック以降の日本の消費者の実像」
■ディベートの基本ルール(抜粋)
無礼行為は慎まなければならない。
時間を守らなければならない
主張には根拠が無ければならない。
相手の主張に反論しなければならない。
反論の主張は直後になされなければならない。
報告者 22期 清水 栄助