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○○ 第121回あすか倶楽部 定例会 ●○○ 日 時:20010年5月15日(土)14:00?17:00 テーマ:消費生活アドバイザーの資質としての英語力 講 師:ソニーカスタマーサービス株式会社カスタマーインフォメーション部 清野 拓也 氏 場 所:トヨタ自動車 池袋アムラックス 7F会議室 |
1.自己紹介
現在ソニーお客様ご相談センターに勤務している。学生のころに英語に目覚め、中学高校に英語塾に通っていて、大学時代はマンスフィールド短編集などで勉強した。社会人なってからは国内営業担当だったため英語はビジネスでは使わなかったが、感覚を失わないように語学学校に通うなどして自己学習をしていた。実は実生活の中で英語を使うことはあまり無い。ほとんどがビジネス英語である。通勤に片道2時間以上かかるので、その時間を利用して英語をリスニングしている。片道2時間、一年間で960時間の計算になるが、実際は疲れて通勤電車の中で寝てしまうのでここまではいかない。
2.英語の特徴と注意点など
日本語は起承転結で結論が最後であるが、英語は結論が先にくる構造になっている。また、英語の場合、時制の使い分けが厳密である。定型的な言い方は理由を考えるより覚えるしかない。あいづちに慣れると話のリズムができる。恥ずかしがらずに実際に口に出して練習するしかない。さらに、これは日本語でも同じことだが、イエスには2つの意味があるので注意すること。単なるあいづちでイエスという場合と相手のいうことに合意したときのイエスである。そのほか、男女の差をビジネスに持ち込まないようにするなど、不適切な表現にはくれぐれも気をつけてほしい。
3.英語対応マニュアルの紹介
国内、海外から入電する外国人顧客に対応するために英語対応マニュアルを作成して、普段は紙ベースで参照しているが、データを共有フォルダーに入れて英語担当者の間で共有している。日本語タイトル、英語訳、使用頻度順のフォームになっており、基本応対からクレームまでの三層構造になっている。そのほか、想定Qや、よく使う用語集、辞書などで構成されている。この日本語の言い方はどんな英語になるの、など疑問な点があれば随時、書き込んで各担当者の知恵を集め、そのつど精度を高めて完成度の高いマニュアルとなっている。
4.私の英語上達法
英語の4つの技能は、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングである。このうちリスニングは他の3つの技能の向上に及ぼす影響が大きい。私自身の勉強法として、外出するときはポータブルDVDを持ち歩いている。アナログ端子から、映画をダイレクトレコーディング機能付きウォークマンに録音して、映画を英語でリスニングして楽しんでいる。このような“ながら”リスニングなら家の中よりも、通勤時間帯を利用するなど、アウトドアでいつでも学習できる。
5.英語圏との文化の違い
日本語と英語圏では文化の違いがある。日本語的発想は「察し」、「お詫び」の文化、一方で英語圏の発想は「主張」と「感謝」の文化である。日本では「はい」「いいえ」をはっきり言わず、相手が婉曲に察してくれることを期待するが、英語圏ではイエスとノーをはっきり表現し、議論を戦わせて、論理的に相手を説得する、という主張の文化である。また、例えば、電話を保留したときなどは「お待たせして申し訳ありません」と謝るのではなく、英語では「お待ちいただきありがとうございます」という表現を使うことがあり、謝罪する代わりに感謝する、という違いがある。
6.消費生活アドバイザーと英語力
世界でも英語を第一言語とする国は、イギリス、北米、オーストラリア、インドなどである。英語は言うまでもなく使用言語としては国際共通語である。消費生活アドバイザーとしての知識、専門分野の知識、英語力が三位一体となればよい。なぜ英語力かというと、学生のときに読んだ本に「語学力の不足はある程度まで円滑な常識によって補うことができる。要するに英語の学習は教養を深めることになり、逆に豊かな教養が英語の勉強を助けることになる」と書かれていたのを思い出す。教養を深めれば語学力は高くなり、その逆も真であって、消費生活アドバイザーの豊富な専門知識を英語力向上に活かさない手はない。最後に、英語の資格を取ろう。TOEICなら、目安として専門用語で意思疎通ができる600点以上を目指して欲しい。消費生活アドバイザーと英語力は、有利な就職・再就職、職場の昇格には絶妙のコンビとなるだろう。それに加えて英語は趣味としても、とても面白い。文化の違いや、英語素材をそのまま理解できる楽しみを是非味わってほしい。
以上 |