1. NTTドコモグループにおける消費生活アドバイザーの取り組みについて
(1)消費生活アドバイザー取得者推進の経緯
・ 2007年度より、会社支援(集合研修等)の下、アドバイザー資格取得推進、及び活動促進を目指す
→ 合格者数(概数): 2007年度30名、2008年年度50名、2009年度90名
・ 2009年5月1日現在、グループ内の有資格者数は202名
【背 景】
携帯電話の市場は急速に伸展し1人1台の成熟期で飽和状態となり、様々な消費者問題も発生。
企業責任として、企業と消費者の掛け橋を担う人材の育成が急務と考え、消費生活アドバイザーの理念と一致したため、全社を挙げた取組みとなった *日本の携帯電話保有台数約1億台、内ドコモ約5,500万台)
(2)2008年の主な活動
@外部との交流活動
消費生活センターなど行政機関への訪問: 携帯電話関連問題をヒアリング、自社取り組み説明、
携帯電話関連の応対マニュアルを提供
・ NACS等主催のシンポウム・セミナーへの参加
・ 他企業の消費生活アドバイザーとの交流(東京電力、トヨタ自動車)
A有資格者同士の情報交換
社内SNSやメーリングリストを活用。情報交換、及び日々思うこと、気がついたことなどをディスカッション
B販促ツール等作成過程における意見提起・助言
各部署にて消費者視点で広告をチェック。企画段階からの参画体制構築が課題
C有資格者の啓発活動
・ 消費生活アドバイザー情報交換会の開催
内容: 有資格者から昨年度活動を報告、今年度活動予定の説明、有識者からの講演 等
・ 社内提言を目的とした勉強会の実施(昨年は料金体系について)
D消費生活アドバイザー資格取得支援
・ 全国の受験者に対する支援として、月に1度2日間の研修会を実施
【社内展開・活用について】
・ 活動の中で出てきた意見は社内へ展開・反映
・ 経営会議等、社内会議での提言、及び提言に関係する部署とのディスカッションを実施
・ 社内ホームページでの活動報告、及び活動によってまとめた意見を発信
(3)今後の課題と2009年度の活動
・ 本来業務とアドバイザー活動とのバランス
→現在ボランティア的活動となっているが、具体的に業務に生かせるところから実務への折込みを推進
・ グループ活動の促進と社内提言活動の活性化 → 社内提言活動の仕組み作りに着手
2. 「ケータイ安全教室」の取り組みについて
4月より「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」が施行。同法律の施行を受け、未成年のiモード利用者に対し、出会い系サイトなどへのアクセスを制限するフィルタリング「アクセス制限サービス」の原則登録を開始。また、2004年より小中学校等へ展開している「ケータイ安全教室」の内容を要約したDVDとガイドをセットにした映像教材の最新版を、6月からより多くの小中学校へ配布を開始する。「ケータイ安全教室」は、現在、@小学生向け、A中高生向け、B保護者・教員向け、Cシニア向けを実施中。今後も、社会状況の変化やお客様のニーズに合わせてプログラムを拡充していく。
■「シニア向け」のポイント
(1) 振り込め詐欺の被害者にならないために
1. 慌てない・動揺しない
2. 家族にしかわからないことを質問する
3. 必ず本人や、関係行政機関に問い合わせる
4. 振り込む前に相談する
5. 警察に相談する
【オレオレ詐欺】 被害者の85%が60歳台以上、被害平均200万円
【還付金詐欺】 昨年は4,539件、年々増加傾向
【架空請求詐欺】 利用していないサービス、商品代金を一方的に請求(有名会社を名乗ることも)
(2) 災害時に身を守るために
iモード災害用伝言版(震度6弱以上の地震、大規模災害発生時に安否情報の登録や確認ができるサービス)を活用
<所感>
2年間で150名の合格者を出したNTTドコモのホットな活動状況には、消費生活アドバイザー活動の原点を再考する上でも大変参考になりました。昨年のアドバイザー合格者90人の実績には、全社を挙げてのホットな活気が感じられる一方、社内実務への活用推進という、どこの企業でも共通する課題について、質疑応答でも取り上げられていました。今後も是非、NTTドコモさんとも一緒に情報交換していければと思います。
以 上
報告者 高野由美子(19期)