1. 生活設計と社会保障
<生活設計>
昔:教育、住宅、老後という考え方 → 現在:ライフサイクルという考え方へ
家族単位でのライフデザインから、自分の個人のライフデザインへ(多様化)
<主な生活保障>
遺族保障、医療保障、老後保障、介護保障の4つの保障に
公的、企業、個人保障それぞれの側面がある。
2.公的保障と少子高齢化
<少子高齢化の進行>
○合計特殊出生率 1950年3.65人→1980年1.75人→2007年1.34人へ
○総人口に対する65歳以上人口の割合
1950年4.9%→2000年17.5%→2050年(推計)40%へ
○一人の高齢者を養うための生産年齢人口
1950年12.1人→2000年3.9人→2050年(推計)1.3人へ
<少子化・高齢社会における問題点>
○社会保障制度への影響
○自助努力の重要性 必要な保障=公的保障+企業保障+自助努力
公的保障と企業保障はどんどん細っていくという感覚が大切
○国民負担率の増加
3.公的年金制度の概要
<仕組み>
国民年金(基礎年金)・・・1階部分
厚生年金保険・・・2階部分(共済年金は職域相当部分(3階部分あり))
<国民年金>
加入者:日本に在住する20歳以上60歳未満の全ての人
保険料:14,410円(第一号被保険者、H20年度)
→毎年引き上げられ平成29年度に固定される
年金額:792,100円(年金の需給には25年間の加入期間が必要)
<厚生年金(共済年金)>
加入者:会社員、船員など。共済年金は公務員、教職員など
保険料:標準月額報酬・標準賞与の15.35%(H20年9月分より)
→毎年0.354%ずつアップし最終18.3%で固定
年金額:標準月額報酬、標準賞与、加入年数などにより算出される
<平成16年度の年金改正>
○保険料水準固定方式の導入
○標準的な厚生年金の水準(現役世代の手取り収入の50%目処)
○マクロ経済スライドの導入
○在職老齢年金の見直し
○離婚時の厚生年金の分割
4. 個人年金保険
<個人年金と個人年金保険>
個人年金は大きく分けて保険型と貯蓄型に分かれる
保険型はさらに二つに分けられる
定額型・・・終身保険、確定年金、有期年金
変額型・・・保障期間付終身年金など
<変額個人年金保険>
○運用実績で年金額が変動する
○銀行や証券会社で取り扱っていることが多く、元本(年金原資)保証型もある
<個人年金保険の活用法>
○公的年金などの上乗せ年金として
○公的年金までのつなぎ年金として
○退職金を利用して一時払いで加入する
○各種医療特約を付加して、医療保障を確保する
○定期保険特約を付加して、保険料払込期間中の死亡保障を確保する
5. 個人年金保険と税金
<保険料を支払うときの税金>
一般の「生命保険料控除」とは別枠で「個人年金保険料控除」がある。
最高で所得税で5万円、住民税で3万5千円を所得から差し引くことができる。
<年金を受け取るときの税金>
契約者=年金受取人の場合 毎年受け取る年金は雑所得
契約者≠年金受取人の場合 年金支給開始時に「年金受給権の評価額」が贈与税
5. 所感
身近な存在となった変額年金保険の話も含めてお話頂き、年金や保険について基本的な知識を習得することができた。自分たちが思っている以上に少子高齢化は進み、今後公的年金や企業年金だけを頼って生活することは難しい。各々が自分のライフスタイルに合わせどのくらいの資金が必要かをよく検討する必要があると感じた。
以上
消費生活アドバイザー27期 松本 数馬